大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和28年(う)141号 判決

たばこ専売法はたばこの專売を実施するため耕作、製造、輸入、販売、輸出などに詳細な規定を設けているが、その中製造たばこの販売につき、その資格を限定し専売公社又は指定された小売人以外には全く販売を禁止していること、又小売人の販売価格は所定の小売定価によるべく、これと異なる価格による販売を禁止し罰則を設けていることなどから考えると、同法第二十九条第二項の販売は、必ずしも営利の目的を要するものとは解せられない。営利の目的でたばこを売渡した場合、それが同条第二項の販売に当ることは勿論であるが、もし販売は営利の目的に出でた場合に限るのであつて、営利の目的のない場合は販売といえないと解すべきものとすれば、小売人の免許を有しない旅館業者も利益を得る意思のない以上、たばこを多数陳列して客に売渡すことが許されることとなる。然るに一面たとえば、他の小売業者から公定価格以下にたばこを買入れ、これを公定価格で売る場合など営利の目的に出でた場合は、前記たばこ専売法所定の規定に違反するものとしてこれを取締らねばならず、したがつて小売人の免許のない旅館業者について、このような違反があるかどうか調査する必要が当然生ずる訳であるが、このような調査は極めて困難であるから、結局営利の目的のないたばこの売渡は販売にならないと解しては、小売人を指定している制度の目的を維持することができなくなる虞がある。そこで取締法規の性質を有するたばこ専売法第二十九条第二項の販売はたばこを有償で譲渡する、以上営利の目的に出たかどうかを問わないものと解釈せざるを得ないのである。論旨は理由がない。

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